競合他社の何が脅威でどう対抗するのかハッキリさせる~【戦略魔法陣:戦略要素「競合」1次進化】

今回は戦略要素「競合」のお話しです。

この戦略要素は「ライバルの状況、動向」について考えます。

戦略要素は他の要素との文脈で解いていくことで「進化」していきます。

戦略要素「競合」はどう進化するでしょうか。

「競合」が「進化」したらマズいんとちゃいます?

進化とは「競争力を高める」ための捉え方をするという意味です。「競合」についての捉え方を考えることになります。

目次

「競合(ライバル)」についてじっくり考えてみる

戦略要素「競合」について、他の5つの戦略要素との文脈で考えてみましょう。

競合-WHAT:「商品」の文脈で「ライバルの状況」を考える

商品の文脈で「ライバルの状況」について考えます。

商品についてのライバル企業の動向

ライバルは商品についてウチと比べてどうなのかを検討します。

そこから、「どう対抗していくか」を明らかにしていきます。

「競合-WHAT」はこう考える!

「競合-WHAT(商品の文脈でライバルの状況を考える)」とはこういうことです。これがちゃんと説明できればOKです。

【競合-WHAT】

ライバルは(こんな)商品を出してきている

「競合-WHAT」の主な論点「ライバルの商品」について

ウチの商品との便益面での違いや狙い、優劣は?

ライバルの商品は機能的便益や情緒的便益の点でどんな違いがあるかを把握します。

機能面(スペックや品質等)、情緒面(カッコよさ、楽しさ等)でライバル商品はどんなところに注力していて優れているのか、またわが社の商品のほうが優れている点はどんなところかを把握します。

ウチの商品との価格面での優劣は?

これは簡単な話です。どっちが安いか高いか・・ということです。

ただ、スペックや品質に差がある場合、客にとっての「コストパフォーマンス」という点での評価も考える必要があります。

競合-WHO:「客や市場」の文脈で「ライバルの動向」を考える

客・市場の文脈で「ライバル」について考えます。

ライバルの狙いはどこか

ライバル企業が狙っているのはどんな客、どんな市場かというのを考えます。

「競合-WHO」はこう考える!

「競合-WHO(客・市場の文脈でライバルの動向を考える)」とはこういうことです。これがちゃんと説明できればOKです。

【競合-WHO】

ライバルは(こんな)客・市場を狙っている

「競合-WHO」の主な論点「ライバルの狙い」について

ライバルとの「客、市場のかぶり度合い」は?

主なライバル企業との客や市場での競合状況はどうなっているか・・、

営業活動をしていれば把握できていると思います。

商いの相当部分がガチでかぶっていて消耗戦を繰り広げているのか、ある程度独自の客や市場を確保しているのか。

かぶっている先では、ウチは有利なのか不利なのか、有利不利はどの程度なのか・・まで客観的に捉えます。

「戦わずに済む」ことが一番。「有利に戦える」ことが二番です。

ライバルの狙いのその先は

現状として競っていても、これから先の狙いがどう推測されるか・・、ライバルもウチと同じように「新しいオイシイ客、市場」を探そうとするわけですから、いずれまたそこで争うことになります。

だとすれば、いち早くその市場にアプローチを掛けたほうが有利に事が進む可能性が高くなります(あえて、先にやらせておいて状況を観察する・・といった手もありますが)。

競合-HOW:「売り方」の文脈で「ライバルの動向」を考える

売り方の文脈で「ライバル」について考えます。

ライバルの売り方

流通経路や営業・マーケティングの手法などについてライバルのやり方、特徴が見て取れると思います。

ライバルのやり方って気になりますよね

「競合-HOW」はこう考える!

「競合-HOW(売り方の文脈でライバルの動向を考える)」とはこういうことです。これがちゃんと説明できればOKです。

【競合-WHO】

ライバルは(こんな)売り方をしている

「競合-HOW」の主な論点「ライバルの売り方」について

ライバルの営業やマーケティングの状況

営業の人員規模や営業手法など、主なライバル企業の営業上の特徴を考えます。

そのあたりは通常から当然把握していることでしょう。

同じくマーケティングについてもライバルの取る策の特徴を考えます。

わが社と比べてライバルの優れている点を中心に、どう対抗していくかを考えていくために重要なポイントになります。

競合-資源:「リソース」の文脈で「ライバルの状況」を考える

リソースの文脈で「ライバル」について考えます。

ライバルが持つ特長的なリソース

わが社にはない、あるいは乏しいリソースをライバルが持っていて、それを上手く活用されている・・という状況を考えます。

「競合-資源」はこう考える!

「競合-資源(リソースの文脈でライバルの状況を考える)」とはこういうことです。これがちゃんと説明できればOKです。

【競合-HOW】

ライバルは(こんな)リソースを持っている

「競合-資源」の主な論点「ライバルのリソースの特長」について

ライバルが上手くやれているのは何があるから?

ただ、リソースを個々に捉えていてはタイヘンかつムダが多いので、考え方としては「ウチより(業界他社より)上手くやれているのは、こんなリソースがあるから」という風に、「その元となるリソースは何か?」に絞って考えることから始めるとよいです。

それに関連して、あれもこれも良さそうに見えて「隣の芝」がどんどん青く見えてくるかもしれませんが、その中でも「肝」になっているリソースを突き止めたいところです。

無形リソースも見逃さない

目に見えて大きな違いは無くても、「無形のリソース」、ノウハウやネットワーク、ブランド・・ウチとの差はこんなところにあるのかも知れません。

競合-環境:「事業環境変化」の文脈で「ライバルの動向」を考える

「事業環境」の文脈で「ライバル」について考えます。

事業環境の変化に対してライバルはどう対処しているか

事業環境の変化はわが社にだけ影響するわけではありません。

当然ライバルにも影響するわな

それに対してライバルはどんな対処をしているか、わが社とは何か違うところがあるでしょうか。

「競合-環境」はこう考える!

「競合-環境(事業環境の文脈でライバル動向を考える)」とはこういうことです。これがちゃんと説明できればOKです。

【競合-環境】

ライバルは(こんな)ふうに環境変化に対応している

「競合-環境」の主な論点「ライバルの事業環境対応」について

注目すべき環境変化

事業環境変化といっていろいろあると思います。

まずは「対比して考える」べき環境変化を特定します。

ウチより上手く乗っている?

悔しいですが「ウチより上手く乗っている」という環境変化対応を取り上げます。

要対処なのはそっちだからです。

ウチのやり方との違いは何?真似できるならしてしまえばいいです。

「競合」について5つの文脈で考えたことを整理してみましょう

戦略要素「競合」について、5つの他の戦略要素の文脈で考えたことを整理してみます。

5つの文脈はこんなカンジでした。これは分かりやすかったですかね。

  • 競合-WHAT:ライバルは(こんな)商品を出してきている
  • 競合-WHO:ライバルは(こんな)客・市場を狙っている
  • 競合-HOW:ライバルは(こんな)売り方をしている
  • 競合-資源:ライバルは(こんな)リソースを持っている
  • 競合-環境:ライバルは(こんな)ふうに環境変化に対応している

どうでしょう。全て言えましたか?

ポイントになりそうなことを整理してみます

ライバルに「なんか上手くしてやられている」ことを「なんで?」という目で見てみましょう。

そこから「どう対抗していくのか」を考えていきます。

「競合」の1次進化

戦略要素「競合」が1次進化するとどうなるでしょう。

冒頭でも言いましたが、「競合が進化する」という意味ではなく、「競合」という戦略要素を「競争力を持つための捉え方をする」ということです。

ライバル企業も様々な手を打って競争してきます。

それに対して「わが社としてどう対抗していくのか」を考える必要があります。

戦略要素「競合」は戦略要素「対抗軸」に1次進化します

「戦わない」のが一番いい

ライバルの状況が分かったからといって、すべての面でガチの競争をするわけではありません。

「最良の策は戦わずに済ませること」とも言われます。

ただ、競争を避けてばかりでもいけません。どこは戦いを避け、どこは本気で戦う必要があるのか・・それを考えるために、現状のライバルとの位置関係を明らかにしましょう。