連呼型CMの傑作!【懐かしのCMクイズ】
懐かしのCMクイズです。
さて、冒頭の画像は社交ダンスをしているようですが、それとは全くカンケーない「湖池屋」のCMです。
湖池屋と言えばスナック菓子の名門企業ですね。その湖池屋から発売された「スコーン」のCMについてクイズです。
Q: この15秒CMの間に何回「スコーン」と言っていたでしょうか?
「連呼型」と言われる、会社名や商品名を繰り返す手法は今も昔もありますが、繰り返すだけだとウルサイ感じになりますし、なによりベタな印象になります。
ですが、このスコーンのCMは徹底した商品名の連呼であるにもかかわらず、リズミカルで洗練されたものでした。BGMすらなく、手拍子とステップを踏む音、それと男性の声だけのとてもシンプルな作り(最近のリニューアル版ではなく)であるにもかかわらず、一度見たら(聞いたら)忘れられない秀逸な作品でした。
このCMでかなりの回数「スコーン」という商品名が連呼されたのですが・・
ヒント:15回は超えています。
15秒CMなのに!?
そう、1秒に1回を超えるペースだったのです!
驚きの回数は?
「19回」でした。
多過ぎやろ・・ホンマか!?
思い出してみましょう
「スコーン①、スコーン②、湖池屋スコーン③、スコーン④、スコーン⑤、湖池屋スコーン⑥、スコーン⑦、スコーン⑧、湖池屋スコーン⑨、カリっとサクッと美味しいスコーン⑩、カリっとサクッと美味しいスコーン⑪ / スコーン⑫、スコーン⑬、湖池屋スコーン⑭、スコーン⑮、スコーン⑯、湖池屋スコーン⑰、カリっとサクッと美味しいスコーン⑱、カリっとサクッと美味しいスコーン⑲」
「会社名」も「キャッチフレーズ」もしっかり入れて、19回も連呼していました。
「耳に付く」というかインパクトも抜群でしたよね!
この頃の印象に残る同社のCMをいくつか~ポリンキー
同時期に湖池屋から発売された「ポリンキー」のCM、スコーンほどではないですがこれも「連呼型」の部類でした。
さて、ここで問題、
Q: 三角形の秘密は何だったでしょうか?
「ポリンキー、ポリンキー、三角形の秘密はね・・」とのこと、それはどんな秘密だったのでしょう。
あら?ヒントは??
ヒントも何も・・、「教えてあげないよ!ジャン!」で終わってしまっていたので、「分らない」が答えです。
調べてはみたのですが、湖池屋公式からも明かされていませんし、解明にチャレンジした人もいるみたいですが、30年以上経った今でも秘密は秘密のままのようです。
なんやそれ・・
ポテトが辛くてなぜ美味しい?~カラムーチョ
もう一つ見てみましょう!
ポテトスナックの「カラムーチョ」はコーンスナックの「スコーン」や「ポリンキー」に先だって1984年に発売されました。以降、湖池屋のロングセラー商品の一つとなっています。
ここで問題、
Q: 今でも登場するこのキャラクター(画像の女の子の両脇にいるやつ)、名前は何と言うでしょうか?
これも特にヒント要りませんよね。
見たカンジ「老婆」みたいですよね。最近のCMでも「ヒーヒー」言ってますよね。
これは簡単かな
「ヒーおばあちゃん(左)とヒーヒーおばあちゃん(右)」でした。
が、ここで終わってはつまらないですね。その「名前」は?
名前なんてあるんや・・
「森田トミ(ヒーおばあちゃん)と森田フミ(ヒーヒーおばあちゃん)」でした。
その後は「カラムーチョ」と「すっぱムーチョ」でブランドの担当分けをしたみたいですけどね。
湖池屋の公式にも出ているので気になる人は見てみてください。
カラムーチョでタブーに挑戦した
このカラムーチョ、当時のお菓子業界ではセンセーショナルな商品でした。
というのも「辛いお菓子」などというものが簡単に受け入れられる時代ではなかったんですね。(塩味はあっても、いわゆる「ホットテイスト」つまり「唐辛子辛い」ものはなかった)
湖池屋がこんな挑戦をした背景には「カルビーへの対抗」がありました。
実は日本で初めてポテチ量産・販売したのは湖池屋
今ではポテトチップスといえば「カルビー」というイメージが強いですが、日本で一番最初に量産し販売したのは湖池屋だったんですね。
そんな湖池屋は、現在でもポテトチップス業界でシェア2番手ではありますが、カルビーには大きく水を開けられてしまっています。
業界でのせめぎ合い
1967年に発売された湖池屋のポテトチップス『のり塩』が売れたので、1960~70年代には競合各社がポテチ市場に参入しました。
そんな中、カルビーは最後発だったようです。
後発だったため一から開発する必要もなく、既存の他社工場を買い取って参入してきました。
そこでカルビーが採ったのは、湖池屋をはじめとする先行競合が150円で売っていたポテチを100円で売り出すという大胆な戦略でした。これが奏功して「カルビーポテトチップス うすしお味」がバカ売れでカルビーは一気にシェアを獲得することになります。
もちろん、100円では利益は出せません。追随した会社は体力が持たず脱落し、150円に据え置いた会社はシェアを奪われていきました。
なぜカルビーだけそんなことが?
カルビーだけがなぜそんなことができたのでしょうか。
カルビーには当時「かっぱえびせん」での潤沢な儲けがあったため、ポテチ事業では採算度外視で押せたわけです。
経営学や戦略論をかじったことがある人なら「PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)」を思い出しませんか?
「金のなる木(かっぱえびせん)」の儲けをつぎ込んで、後発になってしまった「問題児(ポテチ)」を一気に「花形」に押し上げたわけです。
カルビーに対抗するためには!
あっという間にポテチ業界を席巻してしまったカルビーに対し、湖池屋としては「同じことをしていては勝てない、淘汰されてしまう」・・という危機意識もあって、「激辛いお菓子」という全くの‟逆張り”でチャレンジしたのが「カラムーチョ」でした。
コンビニを中心に「大人向け」「お酒のおつまみ」というところから攻め口を見出して「激辛系」という「新しいジャンル」をつくりあげて行きました。
以降、湖池屋は激辛以外にも「プレミアム系」などを展開し、カルビーの王道路線に対抗しています。
ドラスティックな戦略の応酬はあるものの、そんなことを感じさせないユニークで印象に残るCMを見せてくれる湖池屋です。
(でも、CM制作にあまりお金をかけない・・のが湖池屋のやり方というのは秘密なんですかね?ジャン!)