営業やマーケティングは上手くやれているか?「売り方」を考える~【戦略魔法陣:戦略要素「HOW」の1次進化】
今回は戦略要素「HOW」のお話しです。
この戦略要素は「売り方」つまり「営業」や「マーケティング」に関連します。
戦略要素の中でも「戦術」に近いテーマになります。
戦略要素は他の要素との文脈で解いていくことで「進化」していきます。
「HOW」はどう進化するでしょうか。
- 1. 「HOW(売り方)」について5つの文脈で考えてみる
- 1.1. HOW-WHAT:「商品」の文脈で「売り方」を考える
- 1.1.1. 商品面での営業・マーケティング
- 1.1.2. 「HOW-WHAT」はこう考える!
- 1.1.3. 「HOW-WHAT」の主な論点「たくさん高く売る、売り方」について
- 1.1.3.1. 商品をより魅力的にすることがとても大事
- 1.1.3.2. 他との「違い」や「優位性」をアピールするためにやること
- 1.1.3.3. 「付加価値」を付けてでも
- 1.2. HOW-WHO:「客や市場」の文脈で「売り方」を考える
- 1.2.1. 広さと深さを狙った客へのアプローチはどんなふうにやっている?
- 1.2.2. 「HOW-WHO」はこう考える!
- 1.2.3. 「HOW-WHO」の主な論点「客・市場の開拓、深耕策」について
- 1.2.3.1. お客の数を増やすための策
- 1.2.3.2. お客の購買額を上げるための策
- 1.3. HOW-資源:「自社リソース」の文脈で「売り方」を考える
- 1.3.1. リソースやノウハウが活かせている
- 1.3.2. 「HOW-資源」はこう考える!
- 1.3.3. 「HOW-資源」の主な論点「リソースを活かした上手い売り方」についていくつか
- 1.3.3.1. 使えるものを上手く使った展開
- 1.3.3.1.1. 外部ネットワークなども含めて、使えるものは何でも
- 1.3.3.1.2. 培った「信頼」も上手に使うべし!
- 1.4. HOW-環境:「環境変化」の文脈で「売り方」を考える
- 1.4.1. 環境の変化に乗った売り方ってのが出来てますか?
- 1.4.2. 「HOW-環境」はこう考える!
- 1.4.3. 「HOW-環境」の主な論点「環境変化に適応した売り方」についていくつか
- 1.4.3.1. 最近のやり方、売り方もバカにできない
- 1.5. HOW-競合:「ライバル」の文脈で「売り方」を考える
- 1.5.1. ライバルより上手くやれてるかどうか・・気になる
- 1.5.2. 「HOW-競合」はこう考える!
- 1.5.3. 「HOW-競合」の主な論点「ライバルより上手くやれている売り方」についていくつか
- 1.5.3.1. ライバルは上手いことやってるからって悔しがってるだけじゃダメ
- 1.5.3.2. 商品が良いのか「売り方」が良いのか
- 1.6. 「HOW」について5つの文脈で考えたことを整理してみましょう
- 1.6.1. ポイントになりそうなことを整理してみます
- 2. 「HOW」の1次進化
- 2.1.1. そんなの特にない?
「HOW(売り方)」について5つの文脈で考えてみる
「売り方」に関する戦略要素「HOW」について、他の5つの戦略要素との文脈で考えてみましょう。
HOW-WHAT:「商品」の文脈で「売り方」を考える
商品の文脈で「HOW(売り方)」について考えます。
商品面での営業・マーケティング
ここは素直に「商品をよりたくさん、より高く売るため」の「やり方」と考えます。
つまり「商品に関する営業やマーケティングの策」ということです。
「HOW-WHAT」はこう考える!
「HOW-WHAT(商品の文脈で売り方を考える)」とはこういうことです。これがちゃんと説明できればOKです。
【HOW-WHAT】
商品をよりたくさん、より高く売るのは(こんな)売り方
である。
「HOW-WHAT」の主な論点「たくさん高く売る、売り方」について
商品をより魅力的にすることがとても大事
商品はつくった時点で商品力が決まるかというと、そうでもありません。
たくさん売れている、高く売れている商品は、つくってからもいろいろな「策」を打つことで、魅力的な「強い商品」になっていきます。
他との「違い」や「優位性」をアピールするためにやること
他と同じような商品だと、選んでもらえなかったり、選んでもらうために安くしないといけなくなります。
そんな商品は「強い」とか「魅力的」とは言えません。
「他とは違っている」「他よりイイ」と分かってもらえてはじめて選んでもらえるので、プロモーションをかけたり、営業でアピールしたりするわけです。
「付加価値」を付けてでも
「売った、買った、ハイ終わり」ではなく、その商品の使用についてまでサポートするなどの「付加価値」を一定レベルまで無償で付けるなどして、トータルとしての商品力が高めようとすることもあります。
似たようなライバル商品がある中で、なかなか商品本来の便益だけで違いが出しにくい場合など、付加価値で少しでも違いを出して有利にするという策も採られます。
壊れたら取り替えてくれるとかもあるもんなぁ
その分は何かのカタチで支払っているんですけどね
HOW-WHO:「客や市場」の文脈で「売り方」を考える
客・市場の文脈で「HOW(売り方)」について考えます。
広さと深さを狙った客へのアプローチはどんなふうにやっている?
たくさん売る、高く売る、客単価を上げるために客や市場に対してどのようなやり方でアプローチしているかです。
いわゆる「営業やマーケティングでの対顧客施策」ということです。
「HOW-WHO」はこう考える!
「HOW-WHO(客・市場の文脈で売り方を考える)」とはこういうことです。これがちゃんと説明できればOKです。
【HOW-WHO】
客や市場を拡げたり深掘りしたりするのは(こんな)やり方
である。
「HOW-WHO」の主な論点「客・市場の開拓、深耕策」について
客の「数」を増やすのか「単価」を上げるのか、大きく分けて2つの方向性があります。
どちらに重点を置くかは市場の成熟度にもよりますし、自社の得手不得手なんかも関わってきそうです。
お客の数を増やすための策
量的に客を増やすために、まだ未開拓の市場があるならそれを獲得すべくより広範囲を対象にプロモーションをかける、営業エリアやルートを拡張するなどの策を中心にすることになります。
お客の購買額を上げるための策
一方、ある程度客数的には飽和してそう(もうあんまり増えそうにない)ならそれぞれの購買額を上げるための高付加価値商品の提案や関連購買、リピート促進など、客を深堀する策を考えることになります。
HOW-資源:「自社リソース」の文脈で「売り方」を考える
自社リソースの文脈で「HOW(売り方)」について考えます。
リソースやノウハウが活かせている
自社のリソースやノウハウを上手く活かしたものであれば、その「売り方」は「わが社ならでは」のものと言えます。
「HOW-資源」はこう考える!
「HOW-資源(自社リソースの文脈で売り方を考える)」とはこういうことです。これがちゃんと説明できればOKです。
【HOW-資源】
自社リソースを活かして上手くできているのは(こんな)売り方
である。
「HOW-資源」の主な論点「リソースを活かした上手い売り方」についていくつか
使えるものを上手く使った展開
外部ネットワークなども含めて、使えるものは何でも
戦略要素「資源」は自社資源だけに限らず「自社として活用できる」外部資源も含めて考えましょう。
提携先等も含めた外部ネットワークを活用することも有効です。
海外にネットワークを持つ企業との提携で自社としても海外に販路を展開できる・・なんてこともあり得ます。
培った「信頼」も上手に使うべし!
企業ブランドのようなものが効いていて市場や客から信頼を得やすい状況であれば、その信頼に基づくプロモーションなどの策は効果が高くなっているはずです。
ブランドも「無形」ですが立派な「資産」です。リソースと考えてください。
営業やマーケティングといった策の展開には、自社として使えるものは何でも上手く活用すべきです。
せっかくあるのに使えていないリソースやノウハウがあるようなら、その有効活用について考える必要があります。
自分たちでは気付いてない何かがあるかもしれませんね!
HOW-環境:「環境変化」の文脈で「売り方」を考える
環境変化の文脈で「HOW(売り方)」について考えます。
環境の変化に乗った売り方ってのが出来てますか?
営業等の策にも環境影響はあります。
業界ごとに営業やプロモーションの方法論についても環境変化の影響はあると思います。
「HOW-環境」はこう考える!
「HOW-環境(事業環境変化の文脈で売り方を考える)」とはこういうことです。これがちゃんと説明できればOKです。
【WHO-環境】
環境変化に適応して上手くやっているのは(こんな)売り方
である。
「HOW-環境」の主な論点「環境変化に適応した売り方」についていくつか
最近のやり方、売り方もバカにできない
新たに出てきた手法、すぐに思いつくのはニューメディアの活用などですが、それをすることの効果は現時点では軽微だとしても、今乗り遅れると先々大きな差になってしまうかもしれません。
プロモーションメディアやツールについて、乗れているのかそうでないのか確認する必要があるかもしれません。
販売チャネルについても新しいものが次々と出てきていますが、将来性も踏まえて検討できているでしょうか。
HOW-競合:「ライバル」の文脈で「売り方」を考える
「ライバル」の文脈で「HOW(売り方)」について考えます。
ライバルより上手くやれてるかどうか・・気になる
競合他社がいる以上、営業やマーケティングの局面で張り合わざるを得ませんよね。
そんな中でも「ライバルよりも上手くやれる」何かがあるなら大事にすべきです。
「HOW-競合」はこう考える!
「HOW-競合(ライバルの文脈で売り方を考える)」とはこういうことです。これがちゃんと説明できればOKです。
【HOW-競合】
ライバルより上手くやれているのは(こんな)売り方
である。
「HOW-競合」の主な論点「ライバルより上手くやれている売り方」についていくつか
ライバルは上手いことやってるからって悔しがってるだけじゃダメ
「売り方」について自社が優位なのか劣位なのか・・要するにライバルと比較して上手くやれているのか否かがポイントになります。
自社としては上手くやっているつもりでもライバルはもっと上手くやっているなら「やり方」としてダメということになります。
商品が良いのか「売り方」が良いのか
ものすごくイイ商品なら少々営業が下手でも売れますよね。
「売り方」の良さは結局のところ「商品力」にはかなわないのは仕方ありません。
でも、同程度の商品力なら「売り方」の良し悪しは業績に大きく影響します。
さて、そういう意味でわが社の「売り方」はイケてますか、否ですか?
「HOW」について5つの文脈で考えたことを整理してみましょう
戦略要素「HOW」について、5つの他の戦略要素の文脈で考えたことを整理してみます。
5つの文脈はこんなカンジでした。
- HOW-WHAT:商品をよりたくさん、より高く売るのは(こんな)売り方
- HOW-WHO:客や市場を拡げたり深掘りしたりするのは(こんな)やり方
- HOW-資源:自社リソースを活かして上手くできているのは(こんな)売り方
- HOW-環境:環境変化に適応して上手くやっているのは(こんな)売り方
- HOW-競合:ライバルより上手くやれているのは(こんな)売り方
どうでしょう。全て言えましたか?
ポイントになりそうなことを整理してみます
5つの文脈から「HOW」のポイントになりそうなことを整理してみます。
- ウチの商品が「他と違う」「優れている」ことを訴求できているか
- 上手くお客にアプローチできているか
- ウチのリソースならではの上手いやり方ができているか
- イマドキの手法を採り入れられているか
- ライバルと比べて上手くできているか
いろんな見方が出来ます。これらを勘案して「わが社は『売り方』についてどうか」「上手くできているのか」を評価します。
「HOW」の1次進化
では、戦略要素「HOW」が1次進化するとどうなるでしょう。
競争力を持つには、ものの良さや狙いの確かさだけでなく「戦い方の上手さ」も必要になります。
競合との戦い、市場の攻略における有利な「戦法」を何か持っておきたいです。
戦略要素「HOW」は戦略要素「戦法」に1次進化します。
そんなの特にない?
もし「特にコレと言って上手いやり方をやっているわけでもない」「逆にウチのやり方はパッとしない」と思っていても、それはそれで現状を受け入れるしかありません。
どんまい
ただ、これまでだってそれなりに利益を出しているわけですから、そんなに卑下する必要もありません。きっとあまり気付いていない何かが効いているはずです。
特に「HOW」は他の戦略要素の充実・進化の度合いで「採り得る策」のレベルが格段に上がってきますので、今後磨いていけばよいです。「ファイティングポーズ」を取り続けましょう!
次は、戦略要素「資源」についてです。