営業やマーケティングの勝ちパターンをつくる~【戦略魔法陣:戦略要素「戦法(HOW)」の2次進化】
「戦略魔法陣ヘクストラグラム」の2次進化のお話しです。
今回は戦略要素「戦法(HOW)」を、さらに2次進化させていくための検討事項を見ていきます。
狙いは
営業・マーケティングの勝ちパターンを形成する
ことです。
- 1. 戦略要素「HOW」の「1次進化」おさらい
- 1.1. 戦略要素「HOW」は「戦法」に1次進化
- 2. 戦略要素「戦法(HOW)」の2次進化
- 2.1. 2次進化の目的は「優位性」の獲得
- 2.1.1. 戦略要素「HOW」が「競争に勝てる」ように進化するためには
- 2.1.2. 他の戦略要素との文脈で検討するのは1次進化のときと同じ
- 2.2. 「HOW⇒戦法」の次の進化の方向性
- 2.3. 「戦法(HOW)」-「価値(WHAT)」:商品の営業・マーケティングでの勝ちパターン
- 2.3.1. 商品についての営業やマーケティングで勝ちパターンをつくる
- 2.3.2. わが社の提供価値を上手く売っていく「勝ちパターン」をつくるために
- 2.3.2.1. 「なぜよく売れたのか」を徹底分析
- 2.3.2.2. マーケティングや営業と生産の連携・連動
- 2.4. 「戦法(HOW)」-「ターゲット(WHO)」:お客との関係を深めていく
- 2.4.1. 振り向いてもらって気に入ってもらう
- 2.4.2. 顧客との関係性をつなぎ深めていくために
- 2.4.2.1. 気を惹くためのテクニック
- 2.4.2.2. 対話を進めるための手法
- 2.4.2.3. ファン作りのための活動
- 2.5. 「戦法(HOW)」-「強み(資源)」:強みを活かした戦法で勝つ!
- 2.5.1. 強みを活かした戦法は強いんです!
- 2.5.2. 「強みを活かした戦法」に関する論点
- 2.5.2.1. ブランドは構築するだけでなく次のビジネスに「活用」することも考える
- 2.5.2.2. ネットワークを上手く使って独自の営業展開
- 2.6. 「戦法(HOW)」-「事業への影響(環境)」:事業環境の変化に適応した戦法
- 2.6.1. 事業環境変化の影響に上手く適応した策の展開
- 2.6.2. 「事業環境変化の影響に上手く適応した営業・マーケティングの手法」についての論点
- 2.6.2.1. ここでもまず思いつくのが「IT/IoT環境」や「SNS」ですが
- 2.6.2.2. チャネルや売り方など多様化している
- 2.7. 「戦法(HOW)」-「対抗軸(競合)」:ライバルの手法にどう対抗していくか
- 2.7.1. ライバルと同じようなやり方ではダメ
- 2.7.2. その策はライバルには採りにくいか
- 3. HOW要素の2次進化
- 3.1. 「戦法(HOW)」について5つの文脈での捉え方
- 3.2. 戦略要素「戦法」からの2次進化
戦略要素「HOW」の「1次進化」おさらい
戦略要素「HOW」についての1次進化、詳しくはこちらをご覧ください。
戦略要素「HOW」は「戦法」に1次進化
「営業やマーケティングなどの売るための取り組み」に関連する戦略要素「HOW」は、諸要素を考えた上で競争していくために必要な「戦法」に1次進化します。
お客がいて商品があっても・・それだけでは売れません、より多くより高く売っていくための「営業やマーケティング」といった「売るための機能や方法」が要ります。
わが社なりの「売り方」が定まってはじめて、競争の土俵に上がって戦うことができます。
戦略要素「戦法(HOW)」の2次進化
「戦略魔法陣ヘクストラグラムの『2次進化』」の話に入ります。
2次進化の目的は「優位性」の獲得
1次進化は単に「戦える」「競争できる」というだけでしたが、2次進化では「競争に勝つ」「ライバルに対して優位に立つ」ことを意図した議論を進めます
もちろん「議論する」だけでなく「(議論検討した結果)必要とされる事項を備える」ことが出来てはじめて「2次進化レベルに達した」と言えるので、「出来ていなかったこと」「不足すること」に対処していくプランとその実行が必要になります。
戦略要素「HOW」が「競争に勝てる」ように進化するためには
営業・マーケティングに関する戦略要素「HOW」は1次進化で「戦法」として把握されました。さらに2次進化では「勝てる」ところまでもっていきます。
どういった検討をすべきかを見ていきましょう!
他の戦略要素との文脈で検討するのは1次進化のときと同じ
ヘクストラグラムでは戦略要素の「進化」のために「各要素を他の要素の文脈で考える」という作業を行います。2次進化でも同じです。
「HOW⇒戦法」の次の進化の方向性
「勝てる」「優位に立てる」ための「売り方」は?わが社独自のやり方を確立したいです。
いわゆる「勝ちパターン」を持つことで競争を優位に進めたいわけです。
「戦法(HOW)」-「価値(WHAT)」:商品の営業・マーケティングでの勝ちパターン
商品についての営業やマーケティングで勝ちパターンをつくる
わが社の商品を展開していくための何かユニークな方法論を確立できていますか?
わが社の提供価値を上手く売っていく「勝ちパターン」をつくるために
「なぜよく売れたのか」を徹底分析
どの会社もこれまで‟当たった”商品の1つや2つはあるでしょう。その商品が当たった理由を徹底分析してみます。
単に「商品力があった」で済ませるのではなく、「なぜそれが商品力を持つに至ったか」「どうやって開発されたのか」「売り方にどんな工夫があったのか」「どんなラッキーがあったのか」などなどじっくりと検討してみます。
もちろん「再現性」のある何かを見つけることが目的ですが、以前とは事情が異なる場合も多々あろうかと思います。では「今の状況に合わせるとどうすべきか」とかも考えていく必要があります。
マーケティングや営業と生産の連携・連動
もう一つ勝ちパターンの形成につながる可能性のある取り組みとしては「売る人とつくる人」がちゃんとコミュニケーションして連携できるようにしておくことです。
顧客のニーズを商品に採り入れやすくなりますし、売る時にも「こだわりのポイント」などを説明しやすくなります。
中小企業であれば「売る人とつくる人」の間にそう距離が出来ることもないかもしれませんが、中堅~大企業になってくるとコミュニケーションが上手く取れないケース増えてくるようです。
「戦法(HOW)」-「ターゲット(WHO)」:お客との関係を深めていく
振り向いてもらって気に入ってもらう
顧客を大事にすることはもちろん必須ですが、それ以外にも「関係性を深める」ための独自のやり方が何か必要です。
顧客との関係性をつなぎ深めていくために
気を惹くためのテクニック
ターゲット顧客にまずは振り向いてもらわなければ何も始まりません。
その最初のきっかけ作りやエントリーレベルでの顧客のハートを掴む「得意のやり方」を持っておきたいです。
対話を進めるための手法
商材にもよりますが、買ってもらった後の対話の機会を確保してリピートにつなげることが可能なら積極的にやりましょう。
単に「リピート」だけを目的にすると下心が透けて見えてしまうので、「関係性を深める」という姿勢が大事です。
ファン作りのための活動
一般消費者相手の場合など、個々の対話は難しくとも自社の商品を中心とした「ファン」「サポーター」を形成するための様々な取り組みが見られます。
特にやっていない場合は自社でも可能かどうか検討してはどうでしょうか。
それが上手くいけば一つの「勝ちパターン」になり得ます。
「戦法(HOW)」-「強み(資源)」:強みを活かした戦法で勝つ!
強みを活かした戦法は強いんです!
「ナントカ構文」のようなことを言っていますが(笑)、簡単に真似しにくいという観点からも「強み」を活かした独自性の高い「戦法」があると優位に立てるわけです。
1次進化でわが社の「強み」はある程度把握できています。その「強み」を上手く活用した営業やマーケティングの方法論を「勝ちパターン」として編み出しましょう。
「強みを活かした戦法」に関する論点
ブランドは構築するだけでなく次のビジネスに「活用」することも考える
経営学や戦略論では、ブランドは「構築する」ことばかりが論じられますが、せっかくできているものを「活用する」という考え方もあっていいと思います。
商品ブランドを企業ブランドにまで関連付けた上で、新商品展開でもブランドを活かしていくとかできるはずです。
「わが社にブランドなんてない」と卑下することはありません。なんだって「評価されている」ところがあるから会社として存続できているわけですから、「ブランド」とか大げさに言わなくとも「信頼を得ている点」とかでもいいわけです。
そういうところを次の商品展開に活かすという考え方をしてみましょう。
ネットワークを上手く使って独自の営業展開
このヘクストラグラムのフレームでは「資源」は広く「自社が活用できるあらゆるもの、こと」ですので、わが社の「ネットワーク」も対象になります。
異業種のネットワーク、地方・地域のネットワーク、独特の仕入れ先ネットワーク、コラボレーションネットワークなどなど、競合他社とは違ったユニークなネットワークを持っていて、それを活用することで独自の営業展開が出来る・・ようなことはないでしょうか。
「戦法(HOW)」-「事業への影響(環境)」:事業環境の変化に適応した戦法
事業環境変化の影響に上手く適応した策の展開
2次進化の狙いは「勝つこと」「優位に立つこと」です。
「戦法(HOW)-事業への影響(環境)」では何を考えるかと言うと、「事業環境の変化にうまく適応した営業・マーケティングの手法」についてです。
「事業環境変化の影響に上手く適応した営業・マーケティングの手法」についての論点
事業環境の変化に上手く適応した手法・・って、どんなことがあるでしょうか?
ここでもまず思いつくのが「IT/IoT環境」や「SNS」ですが
IT環境、IoT環境はどの業種業界にも小さくない影響を及ぼしています。
やはりいち早く対応して営業やマーケティングに活かすべきですが、すぐに「対応していて当たり前」になって「対応することのアドバンテージ」というより「対応していないとディスアドバンテージ」になってしまう感があります。
チャネルや売り方など多様化している
従来とは違った販売チャネルやサブスクリプションといった新しい売り方など多様化しています。
自社の価値提供に照らして、どんな方法がいいか、どんな可能性があるかいろいろと考えてみる余地があるのではないでしょうか。
上手く乗っていくとこれまでの競争関係をガラっと変えることができる「勝ちパターン」になるかもしれません。
「戦法(HOW)」-「対抗軸(競合)」:ライバルの手法にどう対抗していくか
ライバルと同じようなやり方ではダメ
ライバルだってボーっとしているわけではなく、あらゆる手段を使ってきます。
それに対抗して、さらに凌駕していかなければなりません。
その策はライバルには採りにくいか
いくつかの観点から「勝ちパターン」が検討されますが、「これなら勝てる」という策を軸にしてあらゆる戦法を複合して繰り出します。
単発の策で勝てるほど楽な状況ではないと思います。いろいろ手を打たないといけませんが、やみくもにやるのではく「ライバルの出方」も見つつ、タイミングや重点をよくよく検討し、どう対抗していくかを考えなければいけません。
ライバルは容易に実行できなかったり、状況や狙いが違うから同じようなことをしてこなかったり、何か策にも差別化が出来ていることが求められます。
HOW要素の2次進化
今回の話をまとめてみます。
「戦法(HOW)」について5つの文脈での捉え方
戦略要素「戦法(HOW)」について、他の戦略要素の文脈で考えたことを整理してみます。
これらが適ってくれば、打ち出す策は「勝てる」「優位に立てる」ものになっているはずです。
戦略要素「戦法」からの2次進化
ということで、戦略要素「戦法(HOW)」は2次進化して「必勝の策」になります。
ライバルとの競争を優位に進めていくためにも「勝ちパターン」をいくつか持っておく必要があります。
もちろんそれらの策は一度出来たからといっていつまでも勝てるわけではなく状況に応じて調整しアジャストしていかなければなりません。ライバルだって当然に対抗策は練ってくるはずですから。