企業の戦略は「6つ」の構成要素で考える~戦略魔法陣の戦略要素

今回は「戦略魔法陣ヘクストラグラム」で用いる6つの「戦略要素」のお話です。

「ヘクストラグラム」で考える「戦略要素」自体はごく基本的かつ必須のものなので、ここでの検討は従来のフレームワークでで現状分析や戦略策定を行う際にも併用できる便利なものです。

ヘクストラグラムはこんな構造になっている

戦略要素について説明する前に、「ヘクストラグラム」の構造について見ておきましょう。

要素は6つですが、3つずつの2つのタイプで構成されます。

◆戦略デザイン要素

◆戦略ステイタス要素

です。

「戦略デザイン要素」は「戦略をあれこれする」ための要素

「戦略デザイン要素」は、戦略を考えるにあたっていろいろ「あーだこーだといじくる」(デザインする)タイプの要素で、「WHAT」「WHO」「HOW」の3つになります。

「WHAT」「WHO」「HOW」と来たら、「5W1H」を想起しますよね。

「なんで、WHEN、WHERE、WHYはないのか?」と思われるかと。

「WHEN(いつ)」・・タイミングについては「HOW」に含めて考えます。「WHERE(どこで)」も同じくです。

「WHY(なぜ)」については、どの要素を考える時も「なぜそう考えるか」が問われますので改めて採り上げる必要がありません。

「戦略ステイタス要素」は「状況に応じる」という要素

「戦略ステイタス要素」は、状況(ステイタス)を捉え「どう上手くやるか」といった戦略要素で、「(経営)資源」「(事業)環境」「競合」の3つになります。

戦略要素の基本論点~それぞれどんなことを考えるか

6つの戦略要素について、「どんなことを考えるか」について見ていきます。

戦略デザイン要素【WHAT、WHO、HOW】の論点

「WHAT」の論点は「商品」

戦略要素「WHAT」は、「何を」つまり「商品」「サービス」といった会社が扱う「売りもの」に関することが中心論点となります。

「何をつくるのか」「何を売るのか」・・一番基本になる戦略要素ですね。

モノそのものだけじゃなく「商品まわり」のいろんなことも考える

商品そのものだけでなく、開発や生産、使われている材料や技術などなど「商品まわり」のことが広くテーマになってきます。

  • 商品(サービス商品含む)
  • 生産
  • 開発
  • 使われている技術、ノウハウ
  • 原価、コスト
  • 便益(機能的便益 / 情緒的便益)
  • 付加価値

などいろいろと。

ハードとしてのモノと捉えるだけでなく、便益や付加価値の側面から考えることもポイントとなります。

「WHO」の論点は「顧客・市場」

戦略要素「WHO」は、「誰に(売る、買ってもらう)」つまり「顧客」「市場」についてが中心論点となります。

「お客・市場まわり」のこと・・嗜好や行動なんかも考える

単に「誰」というだけでなく、「どんな人」「どんな様子」というというところまで考えていくことも大事になります。

  • 売り先
  • 利用者
  • 市場(マーケット)
  • 市場セグメント
  • ニーズ
  • 本当の客は誰か(客の選別)
  • 利益をもたらしてくれる人
  • 購買行動
  • 顧客構造

といったことがテーマとなります。

「買ってくれる先」「売り先」だけではない見方も必要かもしれません。

「HOW」の論点は「やり方」

この戦略要素の論点は「やり方」なんですが何の「やり方」でしょうか。

「HOW=どのように」なので、素直に当てはめると「どのように売るか」とか「どのように利益を上げるか」ということになって・・

「どのように利益を上げるか」って、それやったら「HOW」だけ考えてたらええやん

となってしまいます。

そこまで広義に捉えてしまうと結局「WHAT」や「WHO」までいっぺんに考えないといけなくなります。

なので、戦略要素「HOW」においては、商品(WHAT)や市場(WHO)を所与として「上手くつくったり売ったりするやり方」というふうに狭義に考えます。

つまり、

  • 売り場
  • 売り方
  • 流通
  • サプライチェーン
  • 見せ方伝え方
  • 上手いつくり方

などが論点になってきます。

戦略ステイタス要素【資源、環境、競合】の論点

「資源」の論点は「自社が使えるもの」

戦略要素「資源」は「自社独自の資源」以外にも「自社が使えるもの(こと)」も含めて考えてよいです。

  • 人材(ヒト)
  • 設備(モノ)
  • 資金(カネ)
  • 情報
  • 保有技術、ノウハウ
  • ネットワーク(協力先なども)
  • 組織力
  • ブランド力
  • 商圏

「どう活かすか」が大事なポイントになりそうですね!

これらがどう活かせるかが戦略の重要なポイントにもなります。

「環境」の論点は「事業に影響がありそうな環境変化」

戦略要素「環境」は「事業環境の変化」を捉え、それが「事業にどんな影響を与えるか」「どう乗っていくか」「どう対処するか」などについて考えることが論点となります。

  • 社会や生活の変化
  • 技術動向やそれがもたらす変化
  • 人々の意識、嗜好、行動の変化
  • 政治や法律(規制等)の変化
  • 文化的な変化(流行なども)

単に「変化」を捉えるだけでなく、「自社事業への影響」という見方も重要です。

見方によって「好影響」にも「悪影響」にもなるわけですね。

「競合」の論点は「ライバルの動向、出方」

戦略要素「競合」は「ライバル企業の動向や出方」を捉え、その対処方法について考えることが論点となります。

  • ライバルの強いところ、得意とするところ
  • ライバルの弱いところ、苦手とするところ
  • ライバルが変わってきた、変えてきたこと
  • ライバルの狙いと思われること

これらを分析的に捉えて、「どう対抗していくか」を見出していきます。

あかん・・勝てる気がしません

・・とか言ってるとダメなわけ

まとめ

今回は「戦略魔法陣ヘクストラグラム」の「6つの戦略要素」の基本論点を説明しました。

さあ、次からいよいよ本題に入っていきますよ!