これだけ揃うと勝てる戦略が描けそう【戦略魔法陣 ヘクストラグラム:2次進化まとめ】
戦略魔法陣ヘクストラグラムの「2次進化」が出揃いました。
ここまで来ると「戦略のアウトライン」が見えてくるのではないでしょうか。
それぞれの戦略要素がどういった検討に基づいて進化したのかをまとめてみましょう。
- 1. 戦略要素の「2次進化」はどうなる?
- 1.1. 1次進化は「戦えるレベル」までちゃんと考える・・という狙い
- 1.2. 2次進化は「勝てるレベル」までしっかりと考え整える
- 2. 6つの戦略要素の「2次進化」を順に見てみましょう
- 2.1. 「価値(WHAT)」は「優位な価値」に進化する
- 2.2. 「ターゲット(WHO)」は 「相愛顧客」に進化する
- 2.3. 「戦法(HOW)」は 「必勝の策」に進化する
- 2.4. 「強み(資源)」は 「枢要能力」に進化する
- 2.5. 「事業への影響(環境)」は 「転機」に進化する
- 2.6. 「対抗軸(競合)」は 「勝算」に進化する
- 3. 2次進化後の戦略魔法陣ヘクストラグラムはこうなる
- 4. 3次進化へ向けて
戦略要素の「2次進化」はどうなる?
そもそも「戦略魔法陣 ヘクストラグラム」は6つの戦略要素を用いて戦略の重要なポイントを見つけ出すためのもので、このフレームの特徴は「戦略要素が進化する」ということです。
1次進化は「戦えるレベル」までちゃんと考える・・という狙い
まず、「1次進化」では、「WHAT」「WHO」「HOW」「資源」「環境」「競合」の6つの戦略要素それぞれを、会社として「競争できる」レベルでちゃんと考えることが狙いとなります。
つまり、まずは競争の‟土俵”に上がるということです。
で、1次進化したのがコチラ
なんか色と模様がついただけ?
もちろん、それぞれに意味があります。
それぞれ、
- 「WHAT」は、提供する「価値」として
- 「WHO」は、狙うべき「ターゲット」として
- 「HOW」は、とるべき「戦法」として
- 「資源」の中から「強み」を
- 「環境」を「事業への影響」として
- 「競合」に対する「対抗軸」を
それぞれしっかり捉えることで、それらをベースとして競争できるわけです。
これまであまり「戦略」的に考えてこなかった会社にとっては、こういった思考をするだけでずいぶんと‟気づき”があるはずです。
2次進化は「勝てるレベル」までしっかりと考え整える
「2次進化」では、これら戦略要素をさらに踏み込んで「勝つため」「優位に立つため」にどう捉えるべきか考えます。考えるだけでなくそのように整えていきます。
6つの戦略要素の「2次進化」を順に見てみましょう
ではここから6つの戦略要素の2次進化の要約を見ていきましょう!
「価値(WHAT)」は「優位な価値」に進化する
1次進化で「価値」に進化した「WHAT」要素ですが、2次進化ではどうしたいかというと・・、「勝てる」ような「価値」にしたいわけです。
そのために、5つの文脈で考えてみましょう。他の戦略要素も1次進化していますので、よりスゴいことになるはずです。
つまり、こういうことですね。
- 「ターゲット顧客」がハッキリしているので、その顧客のニーズや購買意向・動向に適応し、顧客との関係性をより深いものとするような価値提供ができればよい。
- 自社の営業やマーケティングをやりやすくして、勝ちパターンにつながるような価値形成ができればよい。
- わが社の強みが十分に活かされて、真似されにくく継続的に優位に立てるような価値提供ができればよい。
- 事業環境の変化への対応の必要性を見極め、いち早くかつ上手く乗った価値の形成を行えれば有利。
- ライバルの出方に対抗する、勝てるところで勝負するような価値の形成と提供を行う。
これらのことを備えたら、ただの「価値」ではなく競争に勝つことのできる「優位な価値」と見なしてよいと思います。
とは言え、すべての項目を高いレベルで備えることは難しいかもしれません。どれか1つか2つを軸としつつ、「こういうふうに価値を高めていく」という検討材料にすればよいと思います。
ということで、戦略要素「価値(WHAT)」は「優位な価値」に2次進化します。
「ターゲット(WHO)」は 「相愛顧客」に進化する
わが社の商品を「買って欲しい」相手を「ターゲット」として狙っていくわけですが、「買って欲しい」と片想いなだけは寂しいですよね。
ウチの商品やウチの会社のことを気に入ってくれて「買いたい」と思って欲しいわけです。両想いになりたいわけです。
両想い・・
??
- わが社の提供価値を高く評価してリピートしてくれるような顧客
- 広告宣伝、プロモーションなどの働きかけによく反応してくれる顧客
- わが社の強みを高く評価して気に入ってくれる顧客
- 事業環境の変化をきっかけにより関係性が深まるような顧客
- ライバルとの違いを分かった上でわが社の商品を選んでくれる顧客
こういった「反応のよい顧客」は継続的に愛顧してくれます。
ターゲット顧客とそういう関係性を築いていくことができれば競争力は高まります。
そういう取り組みも大事やね
戦略要素「ターゲット(WHO)」は「相愛顧客」に2次進化します。
「戦法(HOW)」は 「必勝の策」に進化する
戦略要素「HOW」は「売り方」つまり「営業やマーケティングの策」についての要素ですね。
「売り方(営業やマーケティング)」について「勝ちパターン」が欲しいわけです。それもいくつも。
2次進化ではそれを探っていきます。
こういうことが出来ていれば勝てそうですね!
- わが社の提供価値を上手く伝えて広めていくための、営業・マーケティングの必勝パターン
- ターゲット顧客のとの関係性を深めていくための、アプローチやコミュニケーションなどの上手いやり方
- 強みを活かした独自性の高い営業やマーケティングの方法論
- 事業環境の変化に上手く適応した営業・マーケティングの手法
- それらの策が、ライバルは採用しにくいものであること
こんな「売り方」が出来ているなら勝てます。すべて満たしていなくてもいいですが、勝ちパターンは複数の策の集合であればより強力なものとなります。
「強み(資源)」は 「枢要能力」に進化する
戦略要素「資源」は「会社が活用できるリソース」についての戦略要素です。
1次進化で「強み」として認識されたリソースをさらに、事業の中心ともなるべき重要な能力として捉えます。
- わが社の商品・提供価値を独自性が高く優位なものとしているリソース
- ターゲット顧客との関係性を強化することに有効なリソース
- 営業やマーケティングにおいて独自性が高い勝ちパターンを形成しているリソース
- 事業環境の変化に上手く適応することを可能にしているリソース
- ライバルの強みに対抗し優位に立てると言えるポイントは何か?
これらが実現すると「強み」というだけでなく「事業の中心となる重要な能力」と言ってもいいですね。
これらの「枢要な能力」をコアとして戦略を組み立てていきます。
「事業への影響(環境)」は 「転機」に進化する
事業環境の変化は「どうわが社の事業に影響するか」として捉えられてはじめて戦略的意味を持つわけですが、それだけでなく、「その環境変化によってこう変わっていく」と具体的変更と紐づけて捉えることが大事になります。
- 商品(提供価値)をより優位なものへと変えていく「きっかけ」となるような事業環境変化の影響はどんなものか
- 顧客や市場との関係性をより広くより深くしていくために何を変えていくべきか、その「きっかけ」となる事業環境変化の影響はどんなものか
- 営業やマーケティングのやり方を変えていく、その「きっかけ」となるような事業環境変化の影響はどんなものか
- わが社のリソースをより強固にレベルアップしていく「きっかけ」となる事業環境変化の影響はどんなものか
- ライバルの捉え方に変化をもたらすような事業環境変化の影響はどんなものか
いいきっかけを見つけたいですね!
事業環境の影響は、それぞれの戦略要素をより優位なものへと「変えていくきっかけ」つまり「転機」と捉えることが出来ます。
「対抗軸(競合)」は 「勝算」に進化する
戦略要素「競合」は「ライバル企業の動向」についての要素です。 「進化する」と言っても「ライバルが進化する」という意味ではありません。「ライバルの捉え方」を考えるということです。
ライバルにどうやって対抗していくか・・から「こうすれば勝てる」といういくつかの「アドバンテージ」を見出していきます。
- わが社の商品(提供価値)がライバルに勝るところはどこか?
- ターゲット顧客からの評価や支持についてライバルより勝っているのはどんなところか?
- 営業やマーケティングのやり方で勝っているところはどこか?
- わが社のリソースのライバルに対するアドバンテージは何か?
- 事業環境変化がライバルとの相対的位置関係にどう影響を与えているか?
勝てそうなとこは、たくさんあったほうがええよな
これらのうち、今後しばらくアドバンテージが確保できて、競争の軸として活かせることを「勝算」として捉えることが、戦略要素「競合」の「2次進化」となります。
2次進化後の戦略魔法陣ヘクストラグラムはこうなる
各戦略要素の2次進化をまとめたヘクストラグラムは次のようになります。
なんだか勝てそうな雰囲気になってきましたね!
2次進化したということは、それぞれの戦略要素が「勝てる」レベルまで検討・整備され確立していればいいわけです。平たく言うと「出来上がっている」ということです。
1次進化では「検討する」だけでもよかったですが、「出来上がっている」レベルが求められるわけですから、それだけでも随分ハードルは高いです。
でも実際全部が「出来上がっている」ってけっこう大変なことですよね。凄いことかもしれませんよね。
なので、「全部が全部、出来上がっていなくても」いいと思います。「必要と理解して、追求している」ということでよいと思います。ただし、必ず「追求」してください。
「戦略魔法陣ヘクストラグラム」の使い方は「戦略の軸となる何かを見つける」ことですから、「すでにある武器」を用いて「追求すべきこと」を実現・確立していくということでもシナリオとして成り立つと思います。
3次進化へ向けて
2次進化の次には「3次進化」もあります。
1次進化では各戦略要素が「競争できるレベル」へ、「2次進化」ではさらに「優位に戦えるレベル」を目指したものでした。
さて、3次進化はどうなっていくのでしょうか・・。
楽しみですね♪